【VGC2018】全国大会使用構築「メガあり、カプあり、彼女もアリ?!」(リオルサマヨール)

アローラ、こな(@26ko7)と申します!



間違えました。あくえりあ(@26ko7)と申します。



Twitterをご覧頂ければ分かるように、僕のハンドルネームは紛れもなく「こな」であるのですが、

何故か誰もハンドルネームで呼んでくれないので「あくえりあ」でいいです。



本日紹介するのは、私が全国大会で使用した「リオルサマヨール」構築になります。

【使い方】
①リオル サマヨールでこの指止まれ+トリックルーム ※リオルはガオガエン猫騙しを吸えます
②ゴーストZ道連れ(この指止まれ効果付与)+カビゴンではらだいこを押します。
クチートカビゴンを並べて高火力殴りor自己暗示を押します
④なんとか勝てます




【構築経緯】

この構築のスタートは"メタに引っかからない腹太鼓カビゴン"でした。

これまでの練習から、後発の「はらだいこカビゴン」+高火力アタッカーの並びがVGC2018最強の布陣であることを確信していたので、これらの苦手な要素を突破すれば負け無しと考えたからです。

(参考)VGC2018におけるBO1最強のパーティ
https://kona.hatenablog.com/entry/2018/11/17/121349
・私が使用し、1回目の全国予選で3位→全国大会出場権獲得
・アレンジした構築がオフライン大会優勝
・その他数名が使用し、全国大会権利獲得。



これらを通し、カビゴン対策として特に障害となると感じた要素は「モロバレル」「ガオガエン」「くろいきり」の3つです。

こと、モロバレルに関しては素早さ種族値が30と低い上にカビゴンと同速であることから対策が特に難しいです。

故に第1段階として、トリックルームを採用しないカビゴン構築を作成する方向で考えました。

しかし、盤面のマウントを取らない状態で腹太鼓を決めても素早さの低いカビゴンで複数回行動するのは難しく、断念しました。

そこで、トリックルームを展開した上でモロバレルを止める能力のあるポケモンを探したところ、「サマヨール」に辿り着きました。



サマヨールの利点は

モロバレルより低い素早さ(種族値25)を持ちながら「挑発」を打つことができる

②「道連れZ」により、はらだいこのサポートができる

③優秀な退場技「呪い」の存在



特に①「挑発」が強力で、「キノコの胞子」のほか「くろいきり」や「トリックルーム」返しをしてくるポケモン等に対して打つことで一般的な腹太鼓カビゴンメタを掻い潜ることが出来ます。

また、②「道連れZ」で高火力技はもちろん、クリアスモッグや吠えるをサマヨールに引き寄せることも出来るため、安定して腹太鼓を選択することができます。
(この際、「最遅クリアスモッグモロバレル」に関しては完全な回答を用意できなかったのですが、全国大会に出るようなプレイヤーがクリアスモッグモロバレルに採用する場合、素早さを調整した個体を使用してくると判断したため対策不要と判断しました。最悪同速勝負に勝てば良いです。)

そして、仕事を終えた後のサマヨールが盤面に残ることは弱いので、③のような退場技が必要でした。
退場技として、おきみやげ等も候補に上がりましたが、「呪い」は守るや身代わりを貫通する点が非常に優秀と考え、採用しました。特に、カビゴンが苦手とするテッカグヤに強いことが大きな利点です。

また呪いが一度入ると、防御に厚くないガオガエンクチートの岩雪崩圏内にも入ります。こうした単純な削りとしても「呪い」は優秀です。


という訳で、トリックルームを打てるポケモンである上に、腹太鼓カビゴンメタに対してほぼ完璧な回答を用意できる「サマヨール」を採用することに決めました。






さて、構築の軸として「カビゴン+サマヨール」という形を取りましたが、このままでトリックルームを成立させるのは難しいです。

そこでトリックルーム始動補助のポケモンを用意することにしました。



サマヨールの性質として"一撃で落としにくいポケモン"という点が存在するため、挑発や吠える等、攻撃技だけではなく補助技も飛んできやすいです。
しかし、エスパーZクレセリアのようなポケモンとは異なり、挑発等の一般的なトリックルームメタに対して返す手段がありません。

故に、サマヨールの隣には攻撃型のポケモンを置くのではなく、完全サポート系のポケモンを置くことで、全力でトリックルームを打ちに行く形にしようと考えました。



この枠に必要な要素は

トリックルーム始動の補助(2匹の攻撃を止められると望ましい)

②すぐに退場できる(早くカビゴンを場に出したいため)


の2つです。





様々試した結果「このゆびとまれ」の使える「リオル」を選択しました。



理由として

・リオルは、特性のおかげでガオガエン猫騙しより先にこの指とまれを使用することが出来ること。つまり、猫騙し+挑発のような動きに対応可能なこと。

(両守るからスタートすればわざわざリオルを採用しなくても良かったのですが、サマヨールの技スペースの都合上、守るを入れることが出来なかったため、このポケモンが必要でした。)

サマヨールカビゴンの並びを作った際に面倒な高火力全体技持ちのポケモに対する抵抗が出来ること。特にリザードンへの抵抗として、「雨乞い」を先制で打てること。

・そして、トリックルーム成立後に残ってしまった場合でも、味方のサマヨールに飛び膝蹴りを打ち込むことで自主的に退場できること。

(これは挑発メガゲンガーに対して特に有効なプレイで、挑発を受けたリオルがこの指とまれを打てず 影踏みにより交代もできない状況においても 、サマヨールに飛び膝蹴りを打ち込み、自殺することで後発のカビゴンへスムーズに繋げます。)

...そんな感じです。







そして、基本的な選出(リオルサマヨールカビゴン@1)の最後の枠、4匹目のポケモンに求めるのはカビゴンで削りきれなかった残りのポケモンを処理することです。

既にリオル+サマヨールとサポートポケモンが2匹も基本選出に組み込まれてしまったため、広範囲に対応可能で大ダメージを叩き出せるポケモンが必要でした。

そこで、安直ですが「じこあんじ」を覚えるポケモンから探してみることにしました。数的不利をひっくり返すためには威嚇や交代による受け回しを無視できるレベルの高火力or広範囲が必要である、と言うのが一応の理由です。



特に自己暗示を打つポケモンに求める条件として

トリックルームや先制技を覚える

②自己暗示をしなくてもある程度の火力を叩き出せる

ことが挙げられます。



①はトリックルーム太鼓PTを使ったことのある人なら分かると思うのですが、トリックルーム中に腹太鼓を打っている上に、カビゴンは基本的に1匹ずつしか処理できない為、5ターンの間に押し切ることはほとんど不可能です。そのため、先制技や2度目のトリックルームを狙えるポケモンが求められます。



②の理由としては、上述したように"マウントを取れない太鼓構築は弱い"という考えから来ています。というのも、自己暗示から入ることが正解ではないことが余りにも多すぎるためです。わざわざトリックルームをして上を取っているのにも関わらず、腹太鼓でターンを消費した上、自己暗示からスタートしなければ火力が出せないのでは、相手に行動を許し過ぎています。故に、カビゴンに加え、隣のポケモンでも圧力をかけなければトリックルームを有効に活用しているとは言えません。また、そうすることで、カビゴンの被弾する機会も減少し、その結果として、トリックルームが切れた後も殴り合えるような体力を維持することができます。

自己暗示自体は相手のポケモンを何体か処理した後に押しても問題ありません。基本的には、トリックルームが切れた後もマウントを取り続けるために"先制技の火力を上げる目的"で押すようなイメージです。
また、何らかの事情で『太鼓が押せなかった場合』『能力変化をリセットされてしまった場合』『そもそも太鼓を打たない方が強い場合』など、対応できる範囲が増えるため、暗示役は素で火力の出せるポケモンを採用することがこのようなパーティでは必須だと考えています。





①②を満たすポケモンとして「メガメタグロス」「メガクチート」「Z持ちミミッキュ」が挙げられます。

その中で、メガメタグロスは素早さ種族値が高いせいでトリックルームが有効に働かないため不採用としました。

Zはサマヨールが消費している上にリザードンへの打点がないためミミッキュも却下。

残ったメガクチートが、ガオガエンリザードン等苦手なポケモンに刺せる全体技の岩雪崩を覚えること、カプ・コケコ程度なら自己暗示を押さなくても素の火力で倒せること、特性の威嚇が優秀なこと、を買って採用に至りました。







上記の4匹で基本的な動きは完結しました。

しかし、

モロバレル+ガオガエン+くろいきり(カプ・レヒレ)」のような構築は、初手でリオルを倒してくれないことが多く、展開のテンポが遅れてしまいがちでした。
また、トリックルームが切れるとカプ・レヒレに上から黒い霧を打たれるため厳しいです。

そこで、そのようなPTにはリオルを選出することをやめ、これに代わるサポートポケモンを5枠目として探すことになりました。



この手のPT(バレルガエンレヒレ)は、"カビゴンの行動を制限しながらトリックルームターンを凌ぐ"ことが立ち回り次第で可能なため、
①「トリックルーム1ターン目からカビゴンを展開すること」
②「トリックルーム中に相手ポケモンを大きく削ること」
の2点を諦め、トリックルームが切れた先でも展開を行う方向で立ち回りを考えました。

その際、リオルに代わるポケモンに求める条件は

トリックルームのサポートができること
②非トリックルーム状態で相手カプ・レヒレの黒い霧を止められること
③非トリックルーム状態でカビゴンクチートのサポートができること



これらに合致するポケモンとして「ペルシアン(アローラのすがた)」を選択しました。採用理由により必要な「ねこだまし」「ちょうはつ」「さきおくり」に加え、トリックルーム中に後続ポケモンを安全に繰り出すため「すてゼリフ」を採用します。

カプ・レヒレの前で複数回動かすことを想定しているため、持ち物はロゼルの実です。



実際にこのペルシアンを利用し、レヒレグロスに対する選出及び立ち回りを研究したところ、
猫騙しが打てる状態のガオガエン
②挑発を受けていないカプ・レヒレ
この2つの並びを作らないようにすれば勝てることが分かりました。
採用します。





そして最後、もう1つの問題点として「ガルーラ」系構築が厳しいことが挙げられました。
基本的に「ガオガエン」単騎は立ち回りでどうにかなるポケモンだと判明したのですが、ガルーラと同居した構築の場合、猫騙しサイクルによって全く行動出来ないことが問題でした。



猫騙しを止めるためにカプ・テテフを採用しました。

盤面には早急にカビゴンクチートを並べたいため、脱出ボタンを持たせます(全国大会Top8、みずみくんの案)。

一般的なガルーラ構築には先発サマヨール+クチートから入ります。
そして、1ターン目にクチートカプ・テテフへ交代することでトリックルームが簡単に成功します。
また、サイコフィールドが残るため、相手の猫騙しサイクルを幾分か抑制することができます。
(フィールドに出ていなければ効果が発動しない「じょおうのいげん」や「ビビッドボディ」はこの構築にマッチしていないと判断し採用しませんでした。)

そして、先発にクチートを置いているメリットとして、相手のガルーラには威嚇が入り、肝っ玉恩返し+何かしらの攻撃を受けてもサマヨールが倒される心配も排除されます。威嚇で火力を削ぐことは、後続のカビゴンの太鼓サポートになるのも美味しいポイントです。








このようにして

「リオル、サマヨールカビゴンクチートアローラペルシアンカプ・テテフ 」という6匹の並びに至りました。









【個別解説】

カビゴン

性格:ゆうかん

特性:くいしんぼう

持ち物:ウィのみ

努力値:6-252-252-0-0-0

実数値:236-178-117-x-130-31

やつあたり/10まんばりき/はらだいこ/まもる



カビゴンの行動1回で相手ポケモンを倒し切りたいことや、「はらだいこ」を打たずに殴ることも多いので攻撃特化。かつ、「10まんばりき」。この形が1番強いので、調整先は特にありません。

→早めにカビゴンを失うことが負けに直結するパーティなので、大事に扱うため「まもる」を採用しました。削れたカビゴンで「まもる」を押しながらクチートが「じこあんじ」を打つ行動も当たり前ですが強力です。





サマヨール

性格:なまいき

特性:おみとおし

持ち物:ゴーストZ

努力値:244-0-100-0-164-0

実数値:146-75-163-x-188-27

トリックルーム/ちょうはつ/みちづれ/のろい



→A197ランドロスの「じしんZ」耐え 残りD

→「のろい」2回で倒れるようHP偶数





・リオル

性格:せっかち

特性:いたずらごころ

持ち物:きあいのタスキ

努力値:0-252-0-6-0-252

実数値:100-122-40-x-45-123(HBD個体値0)

このゆびとまれ/とびひざげり/あまごい/ほえる



→早く倒れて欲しいので耐久に関わる個体値を下げました。

→大体のガオガエンを抜けるよう最速にしました。

→4枠目の技は特に入れたいものがなかったので、相手の「トリックルーム」や「はらだいこ」に対抗する技として「ほえる」を選択しました。





クチート

性格:ゆうかん

特性:いかく→ちからもち

持ち物:クチートナイト

努力値:252-252-0-0-4-0

実数値:157-172-145-x-116-49(メガ時)

アイアンヘッド/いわなだれ/ふいうち/じこあんじ



→「じこあんじ」せず、そのまま殴るためにA特化。

→調整先は特にありませんが、カプ・コケコ(H145-B116)程度なら「じこあんじ」後に威嚇を1回受けても「ふいうち」1発で倒せます。





ペルシアン

性格:ようき

特性:ファーコート

持ち物:ロゼルのみ

努力値:244-0-12-0-0-252

実数値:171-80-82-x-85-183

ねこだまし/ちょうはつ/さきおくり/すてゼリフ



→D方面に振ってもあまり変わらないようだったので、A183ガオガエンの「フレアドライブ」を大体2発耐えるように少しBへ

→「イカサマ」持ちペルシアンと当たった場合でも上から押さえつけられるよう一応最速にしました。





カプ・テテフ

性格:れいせい

特性:サイコメイカ

持ち物:だっしゅつボタン

努力値:252-0-6-252-0-0

実数値:177-105-96-200-135-90

サイコキネシス/マジカルシャイン/めざめるパワー(ほのお)/サイドチェンジ



→だっしゅつボタンが発動しなかった場合トリックルーム下で動けるように最遅で採用しました。

→「サイドチェンジ」はBO3の2本目を取るための初見殺し技です。

→この枠は大体みずみさんに考えてもらいました。





【選出】

・基本選出(ゲンガー+ガオガエンリザードン+ランドロスメタグロス+カプ・テテフ等)

→リオル サマヨール カビゴン クチート
=指トリルからのみちづれZが基本的な動きになります。この流れが決まると負けることはほとんどありません。



モロバレル+ガオガエン+カプ・レヒレを含むパーティ(メタグロスボーマンダ構築など)

ペルシアン サマヨール カビゴン クチート
=上述したように、トリル中に攻め切ることは諦めてカプ・レヒレに黒い霧を打たせないよう気を付けて立ち回ります。



・ガルーラ系(+ガオガエン+カプ・レヒレ...など)

クチート サマヨール カビゴン カプ・テテフ
=これも上で書きましたが、サイコフィールドを展開して猫だましを止めながら準備していきます。
こちらの場合はその恩恵を生かしてトリル中になるべく攻め切ることを意識して立ち回ります。





以上、皆から勝つ気あるの?と言われてしまった構築の詳細でした。※1勝6敗(1勝は不戦勝なので実質全敗)で99位(最下位)を記録した。

かといって、決してふざけてこちらのパーティを持ち込んだ訳ではありませんよ!

私は1月に開催されたINC Januaryで全国大会行きを決定して以降、4ヶ月間で250ほど構築を試しました。

INCで使用した構築や、それより前に用意した80近くの構築も合わせると300以上候補がある中から「リオルサマヨール」を選択しました。

この構築は優勝こそ狙えないものの世界には行けると思っていたので、負けたのは悔しいですけどパーティ選択自体への後悔はないです。





QRコード

使いやすいパーティだと思うので、是非!

https://3ds-sp.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-F920-4EAD

構築名の由来はそのうち分かると思います。
次の更新はINC1月で使用した構築になるのかな?
そっちの構築はかなりの自信作なので、お楽しみに...